Bluelight Sonata

2022-06-30

#14 空っぽ | 根暗草子

At Shinobazu Pond, Tokyo Metropolitan Ueno park, Tokyo.

職場でやる「1on1」が苦手だという話を散々してきた.就職して4年目になるがこれは今でも変わっていない.

「最近どう?」みたいなオープンな問いが投げられて,「ぼちぼちっすね」くらいしか答えることができずに.「オープンな問いをする」というのは1on1虎の巻的には王道なんだろうけど,上司には申し訳ないことにこちらの回答が下手くそすぎて話が全く広がったことがない.


この1on1への異常までの苦手意識は,「そもそも会話を弾ませようとする意欲がない」とか「相手に興味がないので逆に質問して話を広げたりすることがない」とか,まあいろいろ理由は――どれも致命的なものが――あると思っていたのだが,この度ついに,より本質的な理由に行き当たってしまった.


先日のこと.ついにあまりに話が盛り上がらないからなのか,1on1事前のアンケート的なもの設問がいつもとだいぶ色が違ったものが送られてきて,「将来の夢は」とか「何か自慢できることは」みたいな設問だった.

これには参った.「将来の夢」……は特にない.プライベートでやりたいこと……コロナで中止を余儀なくされたキューバ旅行したい……とか.でも「将来の夢」ではないし.じゃあ仕事上の将来の夢……は特にない.強いて言うなら仕事したくない,くらいか.

「自慢できること」……は「なんとか”普通に”生きてきた」ことくらい?特段自慢するようなことでもないけど.社会不適合な割にとりあえず仕事はして生活はできている,がそれを敢えて自慢したいとも思わない.


要は,意欲以前に話すエピソードに欠けるのだ.空っぽの容器をひっくり返している状態.当然何も出てこない.自分はそもそもその手のコミュニケーションに積極的ではないけど,仮に積極的だとしてもそれでも答えが出てこない,そんな状態.

その状態で畳み掛けるようにオープンな問いが続くので,なにか答えなきゃ,でも話す内容がない,という状態になり,これがなかなかに心理的負荷が高い.よって1on1が嫌い.多分そういうことだろう.もっというと全般的に飲み会が苦手だったのもコレだ.特に提供できる話題がない.

年度が変わってどういうわけかちゃんと定期的に1on1が開催されるようになってしまい,そのたびに自分の中身のない空蝉っぷりをまざまざと突きつけられるのは,当たり前ながらそんなに楽しいものではない.

いっそ,フリートーク的にまさにここで書いた内容をそのまま話せばいいのか?それはそれで地獄みたいな1on1だけど.

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