2020-08-23
平成
久しぶりにお台場に行った.外を出歩くのが憚られる風潮で割り引いても,お台場ってこんなに空いてたっけ?という感想を持った.
お台場というのは“平成的な何か”だと思う.平成の初頭,TVドラマシリーズ『踊る大捜査線』で“空き地”呼ばわりされていた僻地も,後に東京の副都心の一角を占めて,僻地と呼ばれていた頃の面影は消え去っていった.
お台場の発展は平成の中にあったように見える.そしてそれは,時代の移り変わりとともにプレゼンスが低下したように見えることへの皮肉でもある.お台場というとフジテレビの印象が強くて,お台場の夏というとフジテレビが夏休みにやっていたイベントのイメージが強いのだが,ここ何年かイベントの話を聞かないな,と思って調べてみたら,イベントは開催されていたけどWikipediaのページさえ作られていなかった.
それでも時代の流れに抗うお台場の,その結実が“平成後半ロスタイム2年”の今年,TOKYO2020だったのだと思うのだが,最早それが花開くと無邪気に信じられるナイーブさはむしろ邪悪であるとすら言える.平成の終わりとともに儚く散ったかに見えるお台場はこの先どうなっていくんだろう,と,平成の終わりにようやく知った「実は歩道もあるレインボーブリッジ」から,TOKYO2020のサインを見ながら考えた.
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